曲紹介 (SoundCloud)

t e l e p a t h テレパシー能力者 - "夜遊び"

2013/12/25

謎に包まれたトラックメーカー、t e l e p a t h テレパシー能力者と、 アメリカの東に位置する街、エンズビルに住んでいるSilver Richardsが組んで、スプリットアルバム、"夜遊び"をリリースした。 この曲はそのタイトルトラックにあたる。 この二人の事を少し調べてみたが、双方共に80年代のディスコポップを想起させる音楽を作っている。 しかし、t e l e p a t h テレパシー能力者がよりローファイでサイケデリックな音を出しているのに対し、Silver Richardsは前者に比べれば、綺麗目な音を出している印象だ。 また、前者は彼のbandcampを見る限り、このリリースを含めて4枚のアルバムを出している。

t e l e p a t h テレパシー能力者のこの曲からは、Electric Egypt、VIDEOTAPEMUSICとの親和性を感じる。 深いリバーブの中、80年代のディスコポップを想起させるノリの音楽が、 まるでカセットテープから再生されたような古ぼけていて温かみのある音質で鳴らされる。 カセットテープの中から古き良き時代が蘇ってくるような楽園感があり、そしてこの音空間の歪み方はサイケデリックである。

けもの - "LE KEMONO INTOXIQUE (Album Preview)"

2013/12/20

けものは、04年にジャズヴォーカリストとしてキャリアをスタートした青羊(あめ)が、 2010年に自身のソロユニット/アートアクティビティとして立ち上げたプロジェクト。 そんな彼女のプロジェクトを、自身のソロ活動や東京ザヴィヌルバッハ‎などで有名な、菊地成孔が全面的にプロデュース。 彼が作詞、サックス、ヴォーカル、トラックメイキング、カヴァーの選曲、スタイリング、アートワークまで担当している。

Jazzyで軽妙で洒落たトラックの上で、ルパン三世の峰不二子ばりの、色気と毒気のある、 身も蓋も無いぐらい正直なヴォーカルが入る。完全に肉食系女子。このまるで歌っているかのような菊池成孔のサックス、 煌びやかでアブストラクトな音色を出すこのエレピも素晴らしい。

smany - "・A・"

2013/12/20

smany(エスメニー)は日本の女性アーティスト。 彼女は2013年6月20日に、分解系レコーズより"komoriuta"をリリースしている。同アルバムは bandcamp から好きな値段を決めて、ダウンロード出来る。また、アルバムには6つのオリジナル曲に加え、 no.9、trorez、notuv、Madegg、fullkawa head.Q.music、Go-qualiaが参加した6つのリミックス曲も含まれている。 僕も今このアルバムを聴いている最中なのだが、アルバムの質は高そうだ。

踏切の鐘が鳴る音、ダウナーに何かを呟く女性から始まるこの曲。その後に、 太いシンセベース、アブストラクトなオルガン、切ないピアノ、音数の少ない打ち込みのビートが入り、 その中で、彼女のか細い、若干相対性理論のやくしまるえつこ風味の心地よさとエロさを感じさせるボーカルが入る。 アパートで一人で暮らす女性が一人、部屋でぼんやりと沈んでいくような情景が思い浮かんでくるような曲だ。

Jensen Sportag - "Falling Doves"

2013/12/18

Jensen Sportagはアメリカのナッシュビルに拠点を置く、  エレクトロポップデュオである。彼らは11月6日に、ニュー・アルバム、"Stealth of Days"を日本で先行リリースしている。

その音楽性はJames Blake系統のポストダブステップや、昨今流行ったチルウェーブの流れを汲んだものである。 ゆったりとしていて、音と音の間に隙間が取られていて、瞑想的ですらあるのだが、途中に様々な音が挿入されたり、 処理されたりして違いが作られているので、決して退屈なものにはなっていない。むしろ沈黙や隙間があることにより、それらの「違い」が引き立っている印象。 何かこう、瞑想的ではあるのだけれど、音色が派手なせいか、派手な印象も残している。

ちなみに彼らは、あのユニークなローファイポップをやって大きな話題となった、Ariel Pink's Haunted Graffitiのファーストアルバムのジャケも手掛けていたらしい。

Kai Takahashi - "1980"

2013/12/16

Kai TakahashiはSoundcloudに自分の音源をアップロードし続けているSSWである。 その声質からして、若い男性の方だろう。その音楽性はドリームポップやチルウェーブ、AORなど様々な要素を持っている。

彼のSoundCloudには質の高い音源が数多くアップロードされていて、 ピックアップするのに悩んだが、この”1980”が一番気に入ったので、選ばせてもらった。 シティポップ、AOR、ラウンジ系の音楽を、現代のテクノロジーでやった感じ。 この甘く、素朴で、青さの残るボーカルが、とても魅力的である。メロディもとても甘酸っぱく、キュートである。 高いポップセンスを持っていると思う。

annie the clumsy - "No one's ever gonna shag you if you cry all the time"

2013/12/15

いきをするひとたちというブログによると、 彼女は2012年6月の時点で、22歳の女性シンガーだそうだ。イギリスからの帰国後、 フリーターをしながらオリジナルソングやzine(出版社や本屋とは関係なく、好きなように作った本のこと。)を制作しているらしい。 またモデルをやったり、ショートムービーの制作経験もあるなど、非常に多才な方のようだ。

さて、そんな彼女の奏でる音楽を分類すると、アシッドフォークやサイケフォークになるだろうか。 ウクレレを弾きながら、Joanna Newsomのような無邪気さや、朗らかさのある、心地良く、セクシーに歌を歌う。 コーラスワークも非常に巧みである。ちなみにまだ音源のリリースは無いようだ。

Cuushe - "Sort Of Light"

2013/12/11

Cuusheは京都出身、ベルリン在住の女性アーティストである。 これまでの彼女のアルバムリリースとしては"Red Rocket Telepathy"(2007年)、"Girl You Know That I Am Here But The Dream"(2012年)があり、 今年の9月には"Butterfly Case"をリリースしている。この曲"Sort Of Light"は、その新作"Butterfly Case"からの一曲である。

聴いた感じ、Dream Pop、Chillwave、Shoegazer、などの色が強いように思う。 深くリバーブのかけられた音空間の中で、四つ打ちの上に、 爽やかで少しローファイさも感じさせる多様なシンセ、スペーシーな効果音、水面を跳ねるようなピアノなどが乗り、全体として幻想的でメランコリックな音世界を作りだしている。 そしてその幻想の音世界の中から、揺らめくようにして、彼女のアンニュイなボーカルが顔を出す。この曲の佇まいの良さからは、何かこう、風格すらも感じる。 ライブの頭にこういう曲を演奏されると、高揚感が高まりそう。

Chillwave好きはもちろん、スーパーカーや、比較的新しめのShoegazerが好きな人は、きっと引っかかるものがあると思う。

BUDDY GIRL and MECHANIC - "FENIX"

2013/12/11

BUDDY GIRL and MECHANICは2010年の東京で結成されたバンドである。 メンバーはXiROH(Vocal)、Tetsuya.H(Guitar)、Takashi Masubuchi(Guitar)、Kenta Gunji(Drums)の四人。

一聴して思い出したのは、その昔、アメリカのシカゴのインディーレーベルであるkrankyから数々の音源を出していた、 電子サイケデリック・ポストロックバンドのJessamineである。 また、このまったりとした楽園的な雰囲気は、ドイツのプレグレ系ロックバンド、CANも想起させる。 そのサイケを思わせる電子音、ドラム、ギター、女性ボーカルの気だるくセクシーな歌声が、緻密に音響処理された音楽は、呪術的であると同時に、楽園的でもある。

この曲は彼らが今年の2月にリリースした1stアルバム、"BUDDY GIRL and MECHANIC"に収録されている。

Taquwami - "All My Life"

2013/12/11

Taquwamiは東京を拠点として活動しているミュージシャンである。彼は自分の制作した楽曲をSoundCloudでアップロードし続けている。

彼の創るトラックには幻想的なもの多く、実験色に富んでいて、愉快で、派手である。 また総じて低音が効いてて、尚且つ、音がシャッキリとしていて、音質がとても良く聴こえる。

聴いているとChillwave、Shogazer、PostDubstep、Freebeat、などなど、様々なキーワードが浮かんでくる。 時々そのピッチシフトされたボーカルの使い方から、若干オタッキーにも感じることがある。 何かこう、ありとあらゆるジャンルの音楽が、彼の音楽の中には生きている感じがする。 僕には彼が様々な音楽と手軽に、大量に出会える情報革命後の時代に誕生した、 新世代のクロスオーバーアーティストであるように思う。

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