曲紹介 (SoundCloud)

DJ owtn. - "GirlFriend."

2014/08/25

僕はこんなサイトをやっているおかげで、最近は邦楽を耳にする機会が多い。そんな自分が最近感じるのは、10代~30代の若い女性の間で、ラップが流行っているのではないかという事だ。それはダボダボの服来て、金ネックレス首にぶらさげて「金、セックス、ディス」みたいなギャング然としたラップではなくて、自分の日常の事、例えば恋愛とか友達とか学校生活の事を徒然と綴ったようなラップだ。年齢が上がっていくと、寂寥感のある都会生活であったり、表面的な世界の裏側のようなものが描かれ始める。今なぜそういうものが流行っているのか、その出所は解らないが、とにかくその類のものはネット上に沢山ある。DJ owtn.もそんな女性ラッパーの一人かもしれない。

最も彼女はラッパーを名乗っていない。その代わり「ポエムコアアイドル」を名乗っている。近未来的とも言えそうなトラックの上で、秋葉アイドル的な萌え系の声でダウナーに何かを呟いている。この曲のラップの内容は感覚的な内容のものが多くを占めるが、その内容は意味がありげで意味が無さそうだ。また、間違いなく論理的思考で彼女の言っている事を解釈しようとすると混乱する。例えば「生きてることの42%は8時42分だから」「好きな人の話をしましょう。好きな人は......いません。だから、土を掘るのです」などという部分は、論理的思考モードの僕には意味が通じない。「は?」とか「なんで?」とかってなる。多分このラップはそういう思考モードで聴くのはナンセンスなものだろう。ただただ音楽と共に彼女の垂れ流される思念に浸るようにして聴くのが良いのだろう。(これに限らず音楽の歌詞って大体そんなものかもしれないが)ただ、そんな意味が解らない中でも、微妙に共感出来るフレーズがあったりで、ちょっとした快感を覚える。

彼女のSoundCloudを夜にずーっと聴き流していると、映画ロスト・イン・トランスレーションを観ている時の様な寂寥感に浸れて、心地良い。思い起こすアーティストとしてはSmanyCOET COCOEHが挙げられる。尚、この曲"GirlFriend."はBandCampでリリースされているEP、"GirlFriend EP"に収録されている。


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