曲紹介 (SoundCloud)

Gurun Gurun - "Atarashii Hi (Pawn / Hideki Umezawa Remix)", "Kon B (album sampler)"

2015/04/05

今は春なのに、気温は冬になったり、初夏になったりするようだ。おかげで冬の音楽と夏の音楽をこの時期に聴けたりしている。今日は冬の気温だ。そしてそのせいで、毛布の毛布暑さと枚数を間違え、睡眠不足になり、しかも日頃のストレスのリバウンドのせいか、今日は何をやる気も起きず、全てにおいてダルい。こういう時はダウナーな音楽に浸ってかるのがいい。そしてこのGurun Gurunもこんな時に聴くと気持ちのいい音楽の一つになるかもしれない。

最もGurun Gurunはただダウナーなというだけ音楽ではなく、とても実験性に富んでいる音楽をやっていて、BandCampの音源の数々を聴いていると、頭が面白可笑しくなってくる感じがある。感覚としてはJoan of arcの私的名盤"The Gap"(ピッチフォークでは1.9という低採点だったが、個人的には8.0以上は堅い)とか、ツジコノリコ"Solo"を聴いている感覚に近い。彼らはチェコプラハを拠点として活動するTomas Knoflicek、Jara Tarnovski、Ondrej Jezek、Federselの四人組であるようなのだが、彼はかなり日本とのコネクションが強いようだ。その証拠にGurun Gurunのセルフタイトル・アルバムの曲名を観ていると"kodomo"、"yume no mori"、"ano uta"と日本語の曲名が沢山あるし、そもそもこの女性ヴォーカルは日本語詞で歌っている。ではこの女性ヴォーカルは誰なのかというと、日本のエレクトロニカ畑では著名なmoskitooや、sawakoaki tomitaであったりするようだ。一体何故このようなコネクションが出来たのだろうか?flau繋がりだろうか?とにもかくにも日本と結び付きの強いカルテットである事は間違いが無い。

で、このAtarashii hi (Pawn / Hideki Umezawa remix) は文字通り、硬質で実験性の高い電子音楽を作っているPawnが、先日Gurun Gurunが今年5月に発売するKon Bに先駆けてリリースしたEP、"Atarashii hi"のタイトルトラックをリミックスしているものだ。今回、この日本語でツジコノリコ的にダウナーに歌っている女性ヴォーカルはなんとCuushe。原曲も面白可笑しい森の中で沈んでいくような素晴らしい曲なのだが、Pawnのリミックスバージョンもなかなかイカしている。原曲に比べビート感、硬質な電子音楽色が強くなっている。解りやすい形式がある分、こちらの方がポップに聴こえるかもしれない。なんだか面白い不定形なカルテットを東欧に見つけたという印象だ。


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