曲紹介 (YouTube)

ふるえるゆびさき - "ナイトクルージング"

2014/01/09

VmsgPywlur8

僕は夜の音楽が好きで、いつか東京という地域性と呼応するような夜の音楽を作りたいなと思っているのだが、 なかなかうまい切り口が見つからず、二の足を踏んだままだ。 そんな自分を尻目に、このアーティストは、そこに上手い事を切り口を見つけて夜の東京と良い感じシンクロした音楽を作っている。

ふるえるゆびさきは2011年に結成されたバンド。現在はメンバー全員20歳ぐらいであるようだ。 これまでの彼らのリリースには2012年の「一回映画終わったあと」、2013年の「続きをきかせて」がある。 この曲は「一回映画終わったあと」からの一曲。

この音楽にタグをつけるのなら、Post-rock、Ambient-rock、Chillといったところになるか。 ロックの基本的な器楽編成で行われる、抑えと揚げの効いたゆるい演奏に乗せて、 この音程が合っているとはいえない、少し調子外れで、不安定なボーカルが謳う。 エンジニアリングにおいて、結構抑揚が残されているので、音楽がとても生き生きとしているように感じる。 また、この不安定なボーカルが曲のゆらゆらと漂うような感じを出すのに一役買っているように思う。 このクラゲのようにゆらゆらと漂うような音楽性は、ミツメとの類似性を感じさせる。

そしてこの電車からの映像を眺めながら、この曲を聴いていると、良い感じに夜の都心から少し外れた東京の雰囲気に浸れる。 まだ荒削りなところはあるものの、今後の活動に期待してしまう一曲である。