曲紹介 (YouTube)

石橋英子 - "塩を舐める / car and freezer"

2014/06/25

aNvwGDVf-_I

石橋英子の公式サイトによると、彼女は千葉県茂原市出身の音楽家であるようだ。幾つかのバンドで活動後、映画音楽の制作をきっかけとして数年前よりソロとしての作品を作り始めたらしい。彼女はピアノを中心としつつも、ドラム、フルート、ヴィヴラフォンなど多様な楽器を扱えるマルチ・プレーヤーであるそうな。扱える楽器も多様であるならば、その肩書きもシンガー・ソングライター、セッション・プレイヤー、プロデューサーと多様で、それらの肩書で、かなりフィールドレスに漂いながら活動している。最近では長谷川健一前野健太トンチオウガ・ユー・アスホールの作品に参加。またソロ・ライブと共に「石橋英子withもう死んだ人たち」というバンドでも活発にライブをしていて、そのメンバーには、あのジム・オルークも名を連ねる。

この音源は彼女の今年3月に出したジム・オルークがプロデュース、ミックス、録音まで担当する日本詞盤と英詞盤の二枚組アルバムの『car and freezer』のDisc 1(side car )の"塩を舐める"と、Disc 2(side freezer)の"car and freezer"を繋げたものであるらしい。ちょうど動画の2:32秒の画像が切り替わるところで、日本語詞ヴァージョンから英語ヴァージョンにクロスフェードしている。このアルバムのコンセプトは大変面白く、全く同じ曲の中で、日本語と英語でそれぞれ別の内容の歌詞で歌っているらしい。なるほど、これなら日本にも海外にも販路を広げられるし、両言語を聞き取れるリスナーは一つの曲を二つの歌詞で楽しめるし、作る時のマンネリ化も軽減できるってわけだ。考えたな。

ジャズやシティポップの要素をふんだんに取り入れ、転調を効果的に使ってメロディに変化をもたらし、抑揚を使って聴く者にインパクトをもたらしている。そんな音の中に入る彼女のヴォーカルはか細く、透明感があり、まるで鳥が囀るかのようだ、そのサウンドイメージはどことなく、荒井由実を想起させ、この抑揚をを大事にする様、転調・移調の上手さから は、ツチヤニボンドにベースとして参加している渡部牧人のソロ・プロジェクト、PADOKを強く想起させる。他の動画もYouTubeにて拝見させて頂いたが、タップダンスとピアノの編成で即興的な演奏を繰り広げていたり、男女デュエットのポップスをやっていたりと、音楽性の幅の広さを感じさせる。