曲紹介 (YouTube)

Sugar’s Campaign - "ネトカノ"

2014/08/04

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Sugar's Campaignは現代的、いや近未来的とも言えるようなロマンス溢れるシティポップチルウェーブ+クラブミュージックな楽曲を中心に作っているAvec AvecことTakuma Hosokawaと、アブストラクトでPOPで実験的なビートミュージックを作っているseihoことSeiho Hayakawaの二人による「次のJ-POPを担う新世代都市型ポップユニット」であるらしい。いきなり余談だが、てっきり僕は「seiho」という名前は「say hoo!」から取っているものだと思っていた。もし、これが本名だとしたら、彼は生まれながらの「ブチ上げ」系って事になるのだろう。

ともかくそんな彼らが、YouTubeにアップロードしてから一カ月で一万再生を記録した「ネトカノ」が収録されたシングルを、2014年09月03日に遂にCDリリースするようだ。収録曲は「ネトカノ」、「香港生活」、「ネトカノ(instrumental)」の三曲。久々に視聴してみたが、相変わらずその映像と相まって、原宿系女子を想起させるような可愛らしいポップチューンだ。自分はこの三曲目に収録「ネトカノ(instrumental)」を使用して、自分を驚かせるようなカバーがネットにアップロードされないかな、と密かに期待している。

しかし公式ページにアップロードされているこの画像、自分男だけど、少しドキドキしてしまう。

Kitty Pryde - "OKEY CUPID"

2014/08/01

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この前SELA.の記事を書いていて、クラウドラップ(Cloud Rap)なる未知の単語が出て来て、気になった。ネットでクラウドラップを調べてみると、「浮遊感のあるシンセサウンドやサンプリングを多用したトラックに、ゆるい感じのラップが乗っかる」「ゆるふわヒップホップ」」「Trillwave」などと定義されている。様々な記述を観ている限り、2010年あたりからこの単語は既に使われていたらしく、The Hood Internetが2010年6月にリリースしたミックステープ「Trillwave」がその単語を広めるきっかけを作ったらしい。

そしてそのSELA.がプロデュースを手掛けた事のある、Kitty(aka Kitty Pryde)のこの"OKAY CUPID"という曲を聴いてみたが、これを聴くと彼女が「クラウドラップ界のティーンエイジ・スター」と形容されるのも解るし、クラウドラップなるものが流行るのも解る。チルウェーブとヒップホップが融合したようなトラックに、ティーンエイジガールらしい可愛さ、気だるさ、セクシーさのあるラップが乗る。映像も表題もいかにも可愛いモノ好き、という感じだ。彼女のクラウドラップに対しては、僕がこれまで抱いてきたようなHIPHOPに対する苦手意識を一切抱かない。むしろ積極的に好きである。

彼女のBandCampにはシングル2枚を含む、6枚の音源がアップロードされていて、この曲""OKAY CUPID”は"haha im sorry"に収録されている。曲単体でのダウンロードも可能。

婦人倶楽部 - "FUJIN CLUB(short ver.)"

2014/07/28

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婦人倶楽部は2014年、佐渡ヶ島にて結成されたポップ・アート・グループであるようだ。メンバーは島で暮らす主婦たちで構成されているらしい。台湾でデビューライブを成功させてから、カメラ=万年筆の佐藤望のプロデュースで、デビューCD「FUJIN CLUB」をリリース。アートワークは川島小鳥によるもので、このビデオはNoriyuki Kenmotsuによるもの。

オリエンタルかつ東南アジア的なイントロから始まり、粋でとても愛らしい女性ヴォーカルが入ったところで、もうハートを掴まれる。捻りとフックのある主旋律、そこに巧みに散りばめられる「飾りの音」、質の高い録音からは、高いポップソング作成能力を感じる。

LLLL - "Oddness", "Drafting Still"

2014/07/23

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最近は夏の初めになるとLLLLを想い起こす事が多い。多分、昔聴いた彼女の"Drifting Still""Spider Web"の爽快でチルな印象が自分の中に残っているからだろう。それだけでなく、彼女の出す未来的な音、あらゆるジャンルが混じり合った様、そして匿名性の強さは、現在の音楽テクノロジーや情報革命後の世界が色濃く反映されているように感じる。その意味で彼女の音楽は今、2010年代という時代にすごくしっくり来ているように思うし、さらにその時代を良く反映しているという意味では、表面的な音楽性はあまりにもかけ離れているが、90年代後半から2000年初頭にかけての日本の風景を描き続けた支配的なロックバンド、Number Girlさえ想い起こさせる。

LLLLが"Paradice"という14曲入りのフル・アルバムをZoomLensLabelというレーベルから発売していたらしい。フォーマットはデジタルアルバム($7 USD以上)と、CD($12 USD)の二つ。このアルバムには、彼女が以前BandCampにてリリースしていた音源に収録されている曲、"Spider Web"、"Drafting Still"、"Oddness""Because of my eyes"などが収録されている。ジャンルとしてはチルウェーブシューゲイザートランス、フリービートなどの様々な要素が盛り込まれており、その音楽性からはソフトで、チルで、爽快な印象を受けると同時に、実験的で硬質な印象も受ける。収録曲は全て"Paradice"のBandCampページから試聴が出来る。

ちなみにLLLLをどう呼ぶのかというのは、曖昧な所がある。Lが四つ並んでいるので「フォーエル(4L)」と呼ぶ人もいたり、単純に「エルエルエルエル」と呼ぶ人もいる。僕はエルを4回繰り返すのが面倒で、かつ、「フォーエル」という呼び名は何だか響きがしっくりこないな、という理由から、心の中で「エルエルエル」と勝手にエルを一つ省略して呼んでいる。

Open Reel Ensemble - "オープンリールでアンサンブル!!(introduction)"

2014/07/21

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このビデオのキャプションにはこう書いてある。「この作品は改造オープンリールを複数台用いた音響パフォーマンス作品です。『音』を物理的に記録するオープンデッキを改造し、新たな音楽表現のための道具を創作しました。USBオープンリールの誕生です。時間軸を越えたハードウェアのサンプリング&コラージュ。ローテクとハイテク双方の可能性が共鳴する地点を探りました。私達が着眼したのは録音機の物理的な仕組みの面白さです。頭の中でイメージが爆発しました。数々の着想をもとに、その面白さが最大限に生きるパフォーマンスを追及しました。この『楽器』は、『原子』と『未来』の鼓動を奏でます。」

僕は「科学者」が音楽を作りだすのが好きだ。特にハードウェアを自分で作り出せる人のそれが好みである。彼らの理屈っぽいアイディアと、それを可能にする技術力から生まれる訳の解らない音楽はとても刺激的で、聴いていると往々にして良き脳汁が出てくるのである。このオープンリールによる演奏もその例外ではない。聴いたところ、テープ独特の温もりと音の豊潤感、そして西洋音楽理論の音階から抜け出た自由自在な音程が、この中毒性を生みだしているように思う。

思い起こすところとしては蛍光灯に増幅器を付けて音楽を奏でる伊東篤宏と、えげつなく改造されたシンセを操る電子音楽家、Keith Fullerton Whitmanなどが挙げられる。これは5年前の動画であるが、今でも彼らは絶賛活動中らしく、最近ではAlva Noteオオルタイチらとの共演を果たしている。

Takako Minekawa & Dustin Wong - "Party on a Floating Cake"

2014/07/18

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嶺川貴子の声は本当にチルい。さっきまで暑さと湿度と曇り空で私的不快指数が80%ぐらいだったのに、この曲を聴いてからは15%ぐらいには下がった。彼女の声は本当に解りやすい。彼女の清涼感のあって、可愛いらしさがあって、空に抜けていくような歌声は、例えそれが彼女のものと知らなくても、直ぐ彼女のものだと解るぐらい特徴的なものがある。

ちょちょ切れたエレキギターでリズムを刻み、そこにギターの絃の高いキーをピックしたような音を連続させた音がステレオの左右に散りばめられ、そこに嶺川貴子の前述のようなチルーい歌声とコーラスが入り、そこにまどろむようなトロピカルなギターが入る。全体的にはギターサウンドで作られたミニマルでカラフルな音楽 + 嶺川貴子。

嶺川貴子とこのギターを担当しているDusty Wongは既に去年5月、この曲"Party on a Floating Cake"が入っているコラボアルバム"Toropical Circle"をリリースしていて、この七月にもコラボ二作目となる" SAVAGE IMAGINATION"がリリース予定だそうな。また、僕はこのギターのDusty Wongという方を良く知らなかったので、調べてみたら、素晴らしいギタリストであったので、後日改めて紹介する事にする。

THE OTOGIBANASHI'S - "Pool"

2014/07/17

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正直なところ、僕はHipHopとHipHop界隈の人々が苦手な傾向にある。 聴いていると、なんだか説教されているような気分になるものが多いし、治安が比較的良く、生活インフラが整っていて、国内では人種差別もされていない日本人なのに、海外のダウンタウンの黒人の格好とフリをばっちり真似ている様子もなんだかなぁ、と思うし、身内には甘いのに、外の人間に対しては警戒心が強くで手厳しい、排他的なコミュニティの形成しがちなのも好きじゃない。

しかしTHE OTOGIBANASHI'Sには、僕がHipHop界隈に感じている苦手要素は感じられない。彼らはあくまで自然体だ。日本のどこにでもいそうな若者が、文字通り"Pool"の水の中にいるような様な、大変チルで気持ちの良いトラックの中で、力の抜けたラップを展開する。

彼らのプロフィールページによると、THE OTOGIBANASHI'Sはbimin-dPalBedStockの3MC'sから成る日本のRAPグループであるようだ。bimの呼びかけでin-d、PalBedStockは嫌々ながら2012年に結成したらしい。またグループのコンセプトとして「Dis○ey & Rap」などという良く解らない、頭の中にミッ○ーマウスや、エ○クトリカルパレートが流れてきそうなものを掲げているが、その後の文脈から察するに、愉快犯的なノリで、バラエティに富んだトラックと3人の独自のフローで、玩具箱から飛び出してきたかのような曲を生み出す、というような事なのであろう。

これまでのリリースには2013年のデビュー・アルバム"Toy Box"がCDMP3で、"Toy Box EP"Vinylで、共にSUMMITというHipHopやクラブミュージックを主に扱うレーベルからリリースしている。この曲"Pool"は両方の音源に入っているようだ。

Darjeelin - "英吉利の女"

2014/07/09

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Dajeelinは先日紹介したあなあくやまいの改名バンドである。メンバーはあなあくやまいのメンバーから新里(vo,gu)が抜けた三人である。一時ライブ活動を休止し、現在は活動の場をレコーディングしているそうな。またこの"英吉利"というのは昔の日本で使われていた"イギリス"の当て字らしい。

転調を駆使したメロディの捻くれっぷりが特徴的だ。陰鬱で、さびれた感じがあるが、ユーモラスである。聴いているとビートルズ、そしてその周辺の時代のサイケデリック・ロックに影響が強く感じられ、そこに更に日本の昭和のハードボイルドのテイストがブレンドされているような印象を受ける。他の曲も彼らの公式ページにて聴いてみたが、録音は総じて良く、質は高い。アルバムに期待が持てる楽曲群だ。