曲紹介 (YouTube)

lee - "5up"

2015/02/22

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lee はその名前の横にある(asano+ryuhei)と、Facebookの出身地が福岡(日本)、バンコク(タイ)と二つある事から、二人組のユニットである事が推察される。彼らのTumblrFacebookを見ると、沢山の抽象的な絵があり、実際bandcampで14あるリリースのアートワークは芸術性が高い。どうやらこのユニットは音楽だけでなく、視覚的芸術にも比重をかけているユニットであるようだ。この曲"5up"は去年の12月にリリースされた5曲入りの音源、"55555"に収録されていて、こちらは無料でダウンロード可能だ。

ピアノの伴奏から始まり、そこに黒い、ムーディーなラップが入る。ここまでは音数が少なく、静けさすらが漂う。そこからFlying Lotusを想起させる、破壊性、創造性、複層的なリズムフィールとドラッギーさのあるビートが鳴り始め、トラックが遊びだす。、まるで抽象的な絵画を描く画家が、壁に一気にで何かを描ききるようなスピード感のある創造性を感じる。

AFRA+滞空時間 with KEN ISHII - "Premium Studio Live - Vol.8"

2015/02/14

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Sound & Recordingというレコーディングに特化した雑誌があるのだが、彼らがDSD(Direct Stream Digital)という比較的新しいフォーマットでの一発録り企画「Premium Studio Live」を行っているらしい。このDSDというのは従来の24bit、32bitとビット数が上がっていくに従って、音質が上がっていくデジタル方式とは一線を画していて、1bit方式を採用している。現在の一般的なデジタル方式はアナログ方式の波形をデジタル化し、細かく段差を作る(ビット数が上がるに従い、この段差が細かくなって波形が滑らかになる)事で音声化しているが、DSDは音信号の大小を1、0、-1に分類し、音声化しているらしい。この形式に関してはネットで賛否両論沢山上がっているので、興味のある方は調べて欲しい。ただ専門用語で満載であるので、大抵の人にとっては理解は容易でないだろう。(自分もまだクリアに理解出来ていない点が多々ある)

参加メンバーはヒューマン・ビートボクサーという所謂口と声でビートを生みだすという事をやっているAFRAと、ガムランをはじめとする様々な楽器を操る滞空時間、テクノ界隈で長い事活躍している脳汁出る音を出すKen Ishiiだ。どこかの辺境的なワールドミュージックで聴いた事があるようなヴォーカル(分類が解らない)、ガムラン、電子音などが使われた、原始性と現代性が入り混じったトランシーな音楽になっている。あっぱぼれぼれ。

Oversleep Excuse - "Oyu no Hana"

2015/02/01

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OverSleep Excuse(寝過ごした言い訳)とはなんて素敵なネーミングなのだろう。このほわほわとした浮遊感のある音楽を奏でるポストロックバンドにぴったりの名前だ。

ポストロックはあまりにもその定義が多様化している。であるが、一先ずは次世代のロックになりそうな、主に既存のロックっぽい器楽編成で行われる音楽、という認識でいいと思う。そのポストロックの中でも細かく分類が出来、主にアンビエント方面、プログレ方面、エクスペリメンタル方面、エレクトロニカ方面、クラブミュージック方面のものに分けられると思う。Oversleep Excuseはその中でもアンビエント方面のベクトルが強い。淡々とした静かなのノリのドラムの上に、この手のバンドとしては珍しいスティールパンが彩りを加え、まどろむようなギターと、寝起き直後のようなほわほわとしたヴォーカルが入るといった趣だ。全体として北欧っぽい浮遊感が出ているように感じる。

このバンドは人種が混合しているバンドで、メンバーはアメリカ人のMatthew Guay(Vo, Gt, Steel pan, Dr)、イギリス人のAdam Gyenes(Gt, Dr, Kalimba, Steel Pan, Omnichord)、そして日本人のKazumoto Shoji(Ba)、Mami Matsuzaka (Dr, Key, Piano, Steel pan)の四人。どのような経緯でこの様なバラエティに富んだバンドが結成されたのか、興味をそそられる。彼らは2014年の4月にこの曲の入ったデビューアルバム"Slowly Better"をリリースしている。レーベル公式ページの下部のリンクからmp3もダウンロード可能。

PIKA☆ - "龍の棲家"

2015/01/31

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PIKA☆は2002年に結成され、2010年に解散したロックバンド「あふりらんぽ」の元ドラム・ヴォーカルのソロ活動である。あふりらんぽの解散後は、自らのソロ活動を行いながら、AcidMothersTempleでは紅一点ドラマー、YOKO ONO PLASTIC ONO BANDではパーカッション、その他satori、モンモン♀トゥナイト、光宙☆魔呼斗などの国内外数々のミュージシャンとの即興演奏、ノイズ演奏、ユニット活動を行っている。他にも、小学校の音楽と芸術の授業、ドラム教室の講師、写真、絵画、役者、パフォーマンスなどの活動を行っており、その活動は実に多彩である。まさに一つの分野に留まらない、天真爛漫な女性と言えるだろう。

あふりらんぽというバンドは昔から名前は知っていたが、名前からしてドギツイ変態ロックバンドだろうな、と思って敬遠していた。しかしこの記事を書くにあたって、どんなバンドなのか知ろうと思い、YouTubeの音源を聴いてみたが、やはりイメージした通り、ドギツイ変態ロックバンドだった。視聴する限りでは、女性が一般的に定義されている女性らしさを捨てて、自分を解放してはっちゃけまくっているような破壊的なロックバンドである。ライブのMCで「お前らこのまま帰さんぞー 雨が降っても帰さんぞ このままびしょ濡れにさすぞー ビチョビチョのグチョグチョのビチョビチョのドロドロの◎△$♪×¥●&%#?!」などど発する程度には。実に大阪らしい変態ロックバンドであるという印象だ。

そしてPIKA☆ の去年12月の初のスタジオ・アルバムのタイトルトラックである「龍の棲家」でもその変態性は健在だが、同時に優美さ、宇宙さえ思わせる壮大さを感じさせる出来だ。西洋の音階に捉われないシュールなヴォーカルから始まり、街の夜の映像と共に、しとしとと歌い始める。そしてテンポが上がり、助走を取り、一気に世界が広がると共に自己を解放するように盛り上がっていくような流れ。ハナタラシBoredomsの流れもそうだけど、一回音楽的に強烈にはっちゃけとくと、リミッターが外れ、それが表現の幅を広げ、後々落ち着いてきたときに、柔らかみ、しなやかさと相まって、器の大きさ、面白さ、良さが同居した音楽を生み出すのかもしれない。

新川忠 - "アイリス"

2015/01/24

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Lampの「ゆめ」というアルバムにレコーディングで参加している、シンガーソングライターの新川忠が、2005年の2ndアルバム『Christy』以来10年ぶりとなる新作の3rdアルバム、『Painting of Lights』を2015年1月11日リリースしたようだ。この曲「アイリス」は同アルバムのオープニングトラックである。ちなみにこの「アイリス」は曲の内容からして、ギリシア神話に出てくる虹の女神、イーリスの事を指しているのではないかと思われる。

このロマンティシズム漂う、ポピュラーミュージックとしてのフックのある楽曲は山下達郎のそれを想い起こさせる。80年代、90年代のポピュラーミュージックの良い部分が受け継がれている印象。その楽曲の上で、新川忠の力みの無い、心地良い、甘いヴォーカルで、甘い恋愛の歌詞を歌う。彼のヴォーカルの快楽性と中毒性ドローンミュージックに通ずるものがあり、延々と彼のヴォーカル及び楽曲を聴いていたい気にさせる。巷では日常生活を破綻させかねない危険な魅力を持っている、と表現されそうだが、逆に僕はこうした快楽性を持って日常を過ごす事は、日常生活のあゆる物事を解決し、それらがスムーズに回るようにし、例えば仕事なども捗らせるように思うのだ。

テンテンコ - "Good bye,Good girl"

2015/01/17

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あからさまに80年代、90年代の雰囲気が出ている。映像の古い色合い、加えられたノイズは当時のヴィデオテープ然とした映像を想起させる。おまけにヴォーカルのティーン然としたテンテンコに、襟付きの服の上にFILAのトレーナーを着るというセンスが心憎い。ああ、少し昔はああいう格好している人いたよね、ぶかぶかのしかもFILAのトレーナーをああいう娘に着せると可愛いよね、みたいな忘れ去っていたツボを突いてくる。ドラムやシンセの音色、ヴォーカルのダビングの被せ方からも、その年代の色を感じる。作者の徹底したこだわりを感じるMVだ。

テンテンコはBiSという2010年から2014年まで活動していたアイドル・グループに所属していたアイドルだ。このMVはそのグループの解散後、初めて公開されたMVであるようだ。現在はCDを鋭意製作中。そしてレーベル運営にあたって、クラウドファンディングを使って、資金も調達している。しかし彼女、アイドルとしてはなかなかイカした機材をお持ちのようだ。

Sugar’s Campaign - "ホリデイ"

2015/01/11

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都会的で愛らしい現代風のシティポップを作るAvec Avecと、Seihoによるユニット、Sugar's Campaignが12曲入りの1stフル・アルバム "FRIENDS"を2015年1月21日にリリースするようだ。同アルバムにはあの愛らしくて愛らしい次世代シティ・ポップの名曲「ネトカノ」も収録される。この「ホリデイ」は同アルバムの一曲目に収録されている。この曲はかなり甘さとキュートさが前面に出されたポップとなっている。それあからさまであると言えるぐらいに。聴いていると休日の原宿の竹下通りをうろつく原宿系女子たちが浮かんでくる。またミックスやマスタリングの面では各音が整理され、それぞれの音のキレが良い。この二人が組むと、絶対にそこら辺は悪くならないように思う。

Concert - "曖昧さ回避"

2015/01/10

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ConcertツチヤニボンドPADOKと共にライブをするらしい。日時場所は2月8日(日)12:20分オープンで原宿ストロボカフェ。自分はあまりライブには行かない人間なのだが、流石に今回はチケットに手が伸びた。で、Twiterにてツチヤニボンドのレーベルオーナーの方が、それぞれがどんなバンドなのか、それぞれの音源を貼って紹介をしていて、このConcertの「曖昧さ回避」の動画を観るに至ったのだが、それにより自分の中でのこのConcertというバンドのイメージが変わった、いや、というより、やはり彼らの真の姿はこんな感じだったのか、という感触だ。

自分がSoundCloudの2014年のベストトラックに選んだ彼らの"Party And Cookie"は、90年代の冬のJ-POP風味で在りながらも、ポピュラーミュージックの皮をしっかりと被れるぐらいに電子的な要素、実験性が散りばめられていたのだが、この曲"Headache and Heartburn"に収録されている「曖昧さ回避」ではその電子的な要素、実験性が表に出てきている。もはや皮を被りきれていない。そして捻くれたフックのあるメロディは健在で、しかもその捻くれ度が高い。その結果かどうかは定かではないが、印象としてまるで継ぎはぎして作った様な曲展開となっている。この曲「曖昧さ回避」は、もしかしたら、自分達は音楽的にライト層とコア層の中間にいる曖昧な存在ではなく、より後者側の存在であるという事をアピールしたい曲なのかもしれない。