曲紹介 (YouTube)

Open Reel Ensemble - "オープンリールでアンサンブル!!(introduction)"

2014/07/21

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このビデオのキャプションにはこう書いてある。「この作品は改造オープンリールを複数台用いた音響パフォーマンス作品です。『音』を物理的に記録するオープンデッキを改造し、新たな音楽表現のための道具を創作しました。USBオープンリールの誕生です。時間軸を越えたハードウェアのサンプリング&コラージュ。ローテクとハイテク双方の可能性が共鳴する地点を探りました。私達が着眼したのは録音機の物理的な仕組みの面白さです。頭の中でイメージが爆発しました。数々の着想をもとに、その面白さが最大限に生きるパフォーマンスを追及しました。この『楽器』は、『原子』と『未来』の鼓動を奏でます。」

僕は「科学者」が音楽を作りだすのが好きだ。特にハードウェアを自分で作り出せる人のそれが好みである。彼らの理屈っぽいアイディアと、それを可能にする技術力から生まれる訳の解らない音楽はとても刺激的で、聴いていると往々にして良き脳汁が出てくるのである。このオープンリールによる演奏もその例外ではない。聴いたところ、テープ独特の温もりと音の豊潤感、そして西洋音楽理論の音階から抜け出た自由自在な音程が、この中毒性を生みだしているように思う。

思い起こすところとしては蛍光灯に増幅器を付けて音楽を奏でる伊東篤宏と、えげつなく改造されたシンセを操る電子音楽家、Keith Fullerton Whitmanなどが挙げられる。これは5年前の動画であるが、今でも彼らは絶賛活動中らしく、最近ではAlva Noteオオルタイチらとの共演を果たしている。