曲紹介 (YouTube)

PIKA☆ - "龍の棲家"

2015/01/31

8i1iqen1bQ4

PIKA☆は2002年に結成され、2010年に解散したロックバンド「あふりらんぽ」の元ドラム・ヴォーカルのソロ活動である。あふりらんぽの解散後は、自らのソロ活動を行いながら、AcidMothersTempleでは紅一点ドラマー、YOKO ONO PLASTIC ONO BANDではパーカッション、その他satori、モンモン♀トゥナイト、光宙☆魔呼斗などの国内外数々のミュージシャンとの即興演奏、ノイズ演奏、ユニット活動を行っている。他にも、小学校の音楽と芸術の授業、ドラム教室の講師、写真、絵画、役者、パフォーマンスなどの活動を行っており、その活動は実に多彩である。まさに一つの分野に留まらない、天真爛漫な女性と言えるだろう。

あふりらんぽというバンドは昔から名前は知っていたが、名前からしてドギツイ変態ロックバンドだろうな、と思って敬遠していた。しかしこの記事を書くにあたって、どんなバンドなのか知ろうと思い、YouTubeの音源を聴いてみたが、やはりイメージした通り、ドギツイ変態ロックバンドだった。視聴する限りでは、女性が一般的に定義されている女性らしさを捨てて、自分を解放してはっちゃけまくっているような破壊的なロックバンドである。ライブのMCで「お前らこのまま帰さんぞー 雨が降っても帰さんぞ このままびしょ濡れにさすぞー ビチョビチョのグチョグチョのビチョビチョのドロドロの◎△$♪×¥●&%#?!」などど発する程度には。実に大阪らしい変態ロックバンドであるという印象だ。

そしてPIKA☆ の去年12月の初のスタジオ・アルバムのタイトルトラックである「龍の棲家」でもその変態性は健在だが、同時に優美さ、宇宙さえ思わせる壮大さを感じさせる出来だ。西洋の音階に捉われないシュールなヴォーカルから始まり、街の夜の映像と共に、しとしとと歌い始める。そしてテンポが上がり、助走を取り、一気に世界が広がると共に自己を解放するように盛り上がっていくような流れ。ハナタラシBoredomsの流れもそうだけど、一回音楽的に強烈にはっちゃけとくと、リミッターが外れ、それが表現の幅を広げ、後々落ち着いてきたときに、柔らかみ、しなやかさと相まって、器の大きさ、面白さ、良さが同居した音楽を生み出すのかもしれない。